呑兵衛雑記


「ホッピー」バンザイ

 

以前、この稿で居酒屋を取り上げたが、そこで思い出したのが「ホッピー」である。他に類を見ない日本が誇る飲料は「カルピス」と、この「ホッピー」だけ、とも言えるだろう。

この「ホッピー」、意外にも、私の周りには飲んだことのある人が少ないようなので、知らない人のために、少し蘊蓄(うんちく)をたれる。

ホッピーは戦後、ビールが高嶺の花だった頃にビール代用品として生まれたものと聞く。なんとなく貧乏くさい飲み物というイメージは抜けきれないが、材料は本物のホップを使っているので、なるほどビールに近い。

戦後に販売された頃の成分は知らないが、現在販売されているものは低カロリー(ビールの1/4)、低糖質(1.7g/100ml.)、プリン体ゼロ。飲み慣れれば、本当に「うまい」と思う。飲み方は焼酎の割材として使う。だいたい15ぐらいの比率だ。それでもアルコール分は約4.8%で、ビールよりもわずかに低くなる。グラスは事前に冷凍庫で凍らせ、焼酎は瓶ごと冷蔵庫で冷やしたものを使う。全て冷えているので氷を入れない方がお勧めである。居酒屋には氷を入れる店が多いので、「氷いりません」と言っておく。

ビールと同じような色と、黒の2種類が売られている。私は黒ホッピーのファンだ。割る焼酎は「キンミヤ焼酎」という、砂糖きびを原料とした焼酎が合う。この焼酎も驚くほど安価だ。

居酒屋などでは、この焼酎のホッピー割を製品名の「ホッピー」、または「ホッピーセット」としてメニューに載っている。

また、店によっては「生ホッピー」がある。これがまた旨い。私の住んでいる近辺では大船の「なお吉」でしか飲むことが出来ない。

日本独特の酒文化「ホッピー」一度、試してみては如何でしょう。

 

<蛇足>このホッピーを生産している「ホッピー・ビバレッジ社」が出しているコーラのような飲料「コアップガラナ」もなかなか旨いのです。


お魚亭

 

娘が一時帰国、さっそく刺し身や寿司が喰いたいという。その夜は大人四人なので回転ではない寿司にすべく、行き慣れた寿司屋に連絡を入れたが、その日は予約がとれなかった。そこで、行ったことはないが気になっていた「お魚亭」という店に予約を入れた。なかなか評判も良いようだ。6時半は満席とのこと、7時なら取れるということで、さっそく行ってみる。

場所は、七里ヶ浜は観光客で賑わう「珊瑚礁本店」のそばだ。店内は明るく清潔そう、カウンター席に加え、テーブル席が4箇所、我々は6人がけの大きなテーブルに通された。珊瑚礁とは対象的に、ここは地元の奥様方に人気なようで、ほぼ満席。 予約しておいて良かった。

まずは恒例の生ビールで乾杯。とりあえず刺し身をいろいろつまむ。イワシ料理が得意とのこと、さっそくイワシの天ぷら、そして大葉揚げは二枚の大葉の間にイワシのつくねが挟まっている。久しぶりに話にも花が咲き、酒もすすむ。あいた徳利は4本、ほかにも娘は白ワインも飲んでいた。にぎりの盛り合わせもいただき、最後はいわしのつみれ汁、これは絶品。近くなので、また行ってみようと思っている。 

写真:イワシのつみれ汁、大葉揚げ(中にイワシのミンチがはさんである)、イワシの天ぷら、寿司

<お店情報>

「お魚亭」

鎌倉市七里ガ浜東3-1-9

0467-31-9890

 

専用駐車場あり


呑兵衛爺の戯言

「居酒屋バンザイ」

 

私は、列に並ぶ、立喰い、時間制限の飲食店は避ける。忍耐強くないので、コース料理のように、待たされるのも苦手だ。耳が悪いので、フレンチレストランなどで、囁くような料理の説明は聞こえない。

何と言っても、旨くて、早くて、余計な御託がない、しかも安価な居酒屋は最高だ。バーやパブと違い、酒の種類も豊富だ。基本的には日本酒、焼酎が中心となるが、各種のカクテルやウイスキーなどが置いてある店も多い。カウンター席の店が多いので一人でも入りやすい。

都会ならいざ知らず、このような辺境の地にすんでいると、気軽に歩いて行くことが出来る飲み屋はない。しかたなく、我が家でTV相手に一人飲みが多くなる。しかしテレビもつまらない、となると、たまには飲みに行きたくなるものだ。そんなときはバスに乗って、少し遠くまで足を運ぶ。

偶然入った大船の某居酒屋が気に入った。路地を入った狭い店だ。半月ほど後に再訪した。ガラッと引き戸を開けるなり、カウンターの中のオヤジが手を振りながら「あっ、この前いらしたときに気に入っていただいた〇〇というお酒、まだありますよ」。

たった一度しか行っていないの、ちゃんと覚えていてくれたことに感激した。これが職人芸というのだろうか。

気を良くして、その後何度か行ったが、徐々にファンが増えて、最近はいつも満席だ。ミミッチイ話だが冒頭の写真、ライバルが増えたので敢えて屋号の入っている写真は紹介しない。

酒飲み爺にとって居酒屋はありがたい。

居酒屋は日本の文化だ。


ドライマティーニ

 

まず、マティーニグラスと、ミキシング・グラスの両方に氷と水をいれて、カクテルスプーンでカラカラとかき回し、冷やしておく。

冷蔵庫からオリーブとレモンを出す。オリーブを楊枝に刺し、レモンの皮をほんの少し切り取る。棚からドライ・ベルモットの瓶と、冷蔵庫の冷凍室からジンの瓶をとりだして、これで準備完了。

ここからはスピーディに進めないと水っぽいカクテルになってしまう。

冷えたグラスから氷と水を一度捨てて、ミキシンググラスには新たに氷をいれる。そこにドライベルモットとジンを注ぐ。私の場合、その比率は17ぐらいだ。カクテルスプーンでほんの数回ステアし、氷がとけだす前にマティニグラスに注ぐ。そこにオリーブを入れ、レモンの皮を絞る。我がドライマティニの作法である。こうして、書いてみると面倒そうだが、慣れてしまえば大したことはない。たった2種類の酒をミックスするだけの、いたってシンプルなものだが、それなりに奥が深いカクテルだ。人によってミックスの比率も違うし、他の酒やビターを入れたりと、それぞれにこだわりがあるようだ。

 一口すすれば、ジン本来の風味に淡いレモンの香りを乗せて、アルコールのキリっとした切れ味が舌を痺れさせる。そして、茜色に染まった夕空に、乾杯。この瞬間が好きだ。

 

不思議なことに、日本のバーには、カクテルと言えば、女性向きの甘いもの、というイメージがあるらしい。アメリカではどんな田舎の小さなバーでもドライマティニを飲むことが出来る。日本ではカクテルの王道とも言える、旨いドライマティニになかなか出会えないのは、とても残念なことだ。

 

呑兵衛婆さん

私の婆さんの名は稲生喜美、親父の母親だ。末っ子の私は、婆さん子と言ってもいいほど可愛がられた。風呂に入るのも婆さんが一緒だった。幼い私を洗い場に直立させ、タオルでゴシゴシ洗いながら「ちっちゃなオ◯◯チンだね」と言われたものだ。風呂から上がるときは「ワン、ツー、スリーーー」と、「テン」まで数えさせられた。

婆さんの趣味は謡曲だった。ある日、婆さんに能を見に水道橋の能楽堂に連れて行かれた。真夏の暑い日だった。帰路、駅まで歩いていく途中、ガード下のビアホールに入った。私には目玉焼きを食べさせ、自分は生ビールのジョッキをゴクゴク飲んで「プハ〜ッ、うまい」と、そして「こんなうまいものを男だけじゃ、もったいない」と訳のわからぬことを言っていた。

酒もタバコもやる豪快な婆さんだった。よく、ちり紙で作った紙撚り(こより)で煙管(きせる)の掃除をしていた。ヤニのなんとも嫌な匂いを思い出す。

テレビでプロレスを見ながらシャープ兄弟と力道山の試合に「こんちくしょうーー」等とさけんでは興奮していた。

時は過ぎ、私が大学に入り三田に通っていた頃、婆さんは二の橋のアパートに住んでいた。大学からも歩いて行かれる距離だったこともあり、放課後に度々立ち寄った。そんなある日、何故か一泊することになり、晩飯の際に婆さんが日本酒をついでくれた。呑み相手が欲しかったのかもしれない。酒はとても美味しく、グビグビやっているうちに朦朧としてきて、あとのことはよく覚えていない。

翌朝、頭が痛く、吐き気もした。私の初めての二日酔いの経験だ。

そんな婆さんは、私に呑兵衛の印を押し付けて、昭和5595才で旅立った。

小洒落た蕎麦屋

「Slove」

鎌倉由比ガ浜通り、笹目バス停そばにあるガラス張りの蕎麦やだ。「Slove」という屋号の看板は目立たないが、外に「十割そば」と大きく表示されているのでわかりやすい。

たいがいの蕎麦屋の名店は、中の様子が見えにくいが、ここはまるで洒落たカフェのごとく、中の様子が丸見えだ。私は、最近この蕎麦屋にハマっている。

私が頼むのはまずビール。

ごま豆腐
ごま豆腐

残念なことに生ビールは置いていない。小瓶ビールが2種類だ。突き出しに出てくるごま豆腐が絶品だ。皿のかわりに、小洒落た小さなまな板のような皿に乗ってくる。

そして、酒を飲みたいというと日本酒用の冷蔵庫から何本か出してくれた。

みな美味そうだが、前回来たときにも飲んだ「AZ-Ⅶ」という純米酒を選んだ。アテは、おすすめのクロダイのカルパチョと季節野菜のかき揚げを頼む。味よし、見栄え良し、とくれば酒も進む。

最後は、盛りそば一枚でしめた。

椅子席が約10席のほか、小上がり、カウンター席もある。一人でも入りやすい店だ。

店員のキビキビした応対も気持ち良い。また、近々行こうと思っている。

 

<お店情報>

鎌倉市由比ガ浜3-9-47

0467-37-3322

 

 

https://www.instagram.com/slove__yuigahama/?hl=ja

三点セット

三点セットと言っても、ウイスキー、炭酸と氷のハイボールセットではない。私の「朝の三点セット」だ。

毎夜、酒を飲む。それが翌日まで残って体調に影響するかどうかは、翌朝の三点セットで判断する。それは、<血圧測定>、<前日の日記>、<散歩>、この三点セットだ。

毎朝、起きて、まず血圧を測定する。その数字を見れば、前日の酒が体内にまだ残っているか判断できる。私の素人判断だが、血圧の数値が下がり、脈拍が普段よりも多いときは、前日の酒が体内に残っているのだと思う。

次に、前日の日記を書く。何を食べたか、誰と会ったか、何をして、何を感じたのかを、できる限り詳細に記録する。ボケ防止も兼ねて、あえて翌日に書くことにしている。 普段は自炊なので、食べたものは、ほとんど覚えているが、たまに呑み仲間と居酒屋にでも行き、盛り上がった翌朝は、いったい何を食べたのか、何杯飲んだのか、お店の屋号など、思い出せないことの方が多い。

日記をつけ終わったら、やにわにスニーカーを履いて散歩にでる。

坂道を登れば、その日の体調、というか前日の酒が影響しているかどうかが判断できる。

約1時間の散歩、これからは汗もかく季節だ。汗とともに体内のアルコールも蒸発するのだろうか、帰宅後にシャワーを浴びれば爽やかな朝の気分だ。

そんな朝、「よし、今日はノンアルコールでーー」と、硬く誓うものの、夕日が落ちる頃には、そんな誓いはどこへやら、また、プシュ〜っと栓を抜く。ああ、やめられない、止まらない。

 

給料日の楽しみは

 

現役の頃は、会社からの帰宅は東京駅から電車に乗った。現在は湘南新宿ラインとか上野東京ラインとか、いろいろと複雑になっているが、その頃は「湘南電車」だった。湘南電車は東京駅始発だった。だから、東京駅で列に並べば絶対に座ることが出来た。

東京駅から乗車して藤沢駅まで約一時間、小田急江ノ島線に乗り換えて鵠沼海岸で降り、歩いて10分弱で我が家だった。

ドア・ツー・ドア往復で、毎日三時間が通勤時間にかかる。

サラリーマン生活での楽しみは給料日、当時は現金支給だった。つい財布の紐もゆるむ。

給料袋を懐に忍ばせて、まず東京駅でグリーン車のチケットを買い、ホームの売店で缶ビールとツマミを買う。時には日本酒やウイスキーの小瓶も買った。ツマミはバターピーナッツが多かったが乾燥貝柱も、高いけど旨かった。

チビリチビリやりながら、グリーン車の車窓に流れる夜景を見て、一ヶ月の反省をーーそんなことするわけない。とりあえず、のんびり帰宅。これがサラリーマン生活の月に一度の楽しみだった。

そんなある日、姪っ子に言われたことがある。

「ノッペちゃん(なまいきにも年下のくせに俺のことをチャン付けで呼ぶのだ)、お願いだから車内で日本酒とスルメはやめてね」

本人は、気が付かないものの、この取り合わせは芳香が漂う。周りの人に迷惑になるとのこと。そう言われればそうかも知れない。

以来、この組み合わせは、しないようにしているものの、クチャクチャ、チビチビと、これって黄金カップルなのですよね。

 

山の呑兵衛 後編

「夢」

 

ここ鎌倉山には一軒の飲み屋もないという「嘆き」は前回書いた。

もし、ここに飲み屋を出店するのなら、土地柄、居酒屋より洒落たバーが良いだろう。

こじんまりした木造の西洋館、ドアを押し、一歩中に入れば漆喰の壁、分厚いクルミ材のバー・カウンターにハイチェア六脚があるだけだ。部屋の隅には小さな薪ストーブに赤い炎が揺れている。カウンターの中には寡黙なバーテンダーが一人。彼がレコードプレーヤにLPレコードをセットする。聞こえてくるのは昔懐かしいジャズだ。渋い女性ヴォーカルならヘレン・メリル、ジョー・パスのギターも素敵だ。ミルス・ブラザースのコーラスはコニャックに合うかもしれない。

酒の種類はそんなに多くなくて良い。スコッチウイスキー、コニャック、ジン、ワイン、そして生ビール、そうそう、私の好きなマティニも飲みたいから、ドライベルモットは置いてもらいたい。寒い冬にはスイートなマンハッタンも飲みたいからライ・ウイスキーとスイート・ベルモットも必要だ。

ツマミは大げさなものはいらない。チーズ、オリーブ、生ハム、ナッツ類、できれば温かいものも少しは欲しい。フライドポテトなんか良いかもしれない。バーの屋号は「ザ・鎌倉山」だ。

こんなバーがあったら素敵ではないですか。

 

そういえば、以前は美味しいパン屋だった建物がある(写真)。ここならサイコーだ。この季節、窓からは満開の夜桜を愛でることもできる。

現在テナント募集中、だれか出店してくれないかな! 

山の呑兵衛の夢は巡るのです。

山の呑兵衛 前編

「嘆き」

 

今回、「鎌倉山暮らし」ページでも触れたが、ここ鎌倉山1丁目から4丁目まで、飲食のできる店は数少ない。

呑兵衛にとって辛いのは、バー、居酒屋は一軒もないということだ。数少ないカフェやレストランで、食事の前に生ビールを呑むことが出来るのは、ぶっ高いローストビーフの店と、入場料をとる蕎麦屋だけ。

瓶ビールを飲める店はあっても、早い時間に閉店してしまう。

夏の夕暮れ、海からの気持ち良い涼風が頬を撫でる頃、無性に生ビールが飲みたくなる。そんな時は仕方なく山を降りるしかない。当然、車やバイクは使えないので、歩くかバスだ。バスで一駅、歩いて20分も行けば小さな居酒屋がたった1軒ある。「深沢村食堂」というこの店、一人でも入りやすいし女将さんが一人で頑張っている。生ビール以外にも酒や焼酎もある。ツマミ類も豊富だが、(店には申し訳ないが)食通にお勧めできるようなものは少ない。昔は、この店の近所に大きな居酒屋があったが今はマンションに建て替えられてしまった。

問題は、飲んだあとの帰路だ。バスは一時間に一本ぐらいしかないし、酔っ払って山を登るのはとても辛い。しかも、道は狭く暗いので、車にひかれはしないかとヒヤヒヤしながらの山登りとなる。

家についた頃には、疲れ果て、酔いも冷めてしまう。

そして、呑兵衛は再び冷蔵庫を開きプシュッと栓を抜く。

ならば、最初から家呑みにすれば良いのだが、そうはいかないのが呑兵衛たる由縁だ。

だれか、家の近くにバーの一軒も開店してくれれば良いのだがーー。

嘆きは、ここまで。次回は「呑兵衛の夢」でも語ってみようか。

「ほろ酔い映画館」

 

「食べてすぐ寝ると牛になる」と、幼い頃言われた。本当に牛になるかと、怯えながら頭を抑えて角が生えてくるのか確かめたものだ。

今の私は、晩飯を食べ終わると、食器などを洗った後の、「改めてイッパイ」が楽しみである。スコッチウイスキーのロックと、チーズやチョコレートなど、簡単なツマミを用意してから、テレビの前にある「親父の椅子」と呼んでいる私の父が使っていた椅子にドカっと腰掛けてから、溜め撮りしてある映画を見る。

今晩はどの映画にしようか、少し悩んでいる間にもチビリチビリと始める。私は耳が遠いせいもあり「字幕」入りの外国映画が好みだ。

そして、私の映画評価は「眠気」できまる。腹はいっぱいになっているし、酒のせいもあるが、映画を見始めてしばらくすると眠気が襲ってくる。その眠気を我慢してでも見続ける映画は合格だ。

「エアフォース・ワン」、「サイコ」、「スピード」など、ハリウッド作品は見ていてハラハラドキドキと、眠気を吹き飛ばしてくれるものの、同じハリウッド映画でも「ローマの休日」など懐かしい映画のほうが好みだ。

「遠い夜明け」、「坂の上の小さな本屋」、以前このHPでも触れた「ウインストン・チャーチル」、など、見応えのある優れた作品は睡魔も近づかない。

一方、いつの間にか船を漕いでいるものも沢山ある。そのような作品は即刻消去だ。

映画の他にも、以前はコンサートやドラマも見たが、大型テレビを導入してからは、映画ばかり見ている。

部屋の中はポカポカと暖かく、適度に照明も抑えて、一人スクリーンに向かいチビチビやりながらの至福のひと時。さて、今宵の「ほろ酔い映画館」はどんな作品を選ぼうか。

蕎麦屋「段葛 こ寿々(だんかずら こすず)

 

遠方から来た友と鎌倉を案内することがある。誰でも行く大仏と八幡宮より、私は、竹寺として知られている報国寺と、そのすぐ近くにある杉本寺に案内することが多い。てくてく歩いたあとは蕎麦屋での一献が楽しみだ。

鎌倉には旨い蕎麦屋が多い。私が好きなのは「こ寿々」という蕎麦屋だ。八幡宮から段葛を駅方向に少し行った左にある古風な建物だ。

散策の後はここに行き、まず鎌倉ビールで喉を癒やす。突き出しの「塩まめ」が旨い。ポリポリと齧りながら小瓶をあけたら、酒だ。

この店にきたら、ツマミはたたみいわしと決めている。ほんのりと温かさが残っているたたみイワシをパリパリ食べながらの酒は、口の中に海が広がる。

ほのかに酔が回ったところで、ツルっとせいろを一枚いただく。しめは、この店ならではの「わらび餅」だ。

この手創りわらび餅が旨い。蕎麦屋だが、このわらび餅が有名になってしまい、「こ寿々」と言うとわらび餅屋と思っているご婦人方もいる。事実、同じ屋号で鎌倉駅ビルや、由比ガ浜通りに、わらび餅専門店もだしている。

しかしこの店の基本は、あくまで蕎麦屋。よくある居酒屋まがいの蕎麦屋とはちがい、生ビールは置いてないし、夕方6時半にラストオーダーである。

最近は昼時に行くと観光客が列を作って並んでいる。地元のファンとしては辛いところだが、それでも我慢して少し時間をはずして行く。

「こ寿々」の蕎麦、私のお気に入りである。

 

お店情報>

「段葛 こ寿々」

鎌倉市小町2-13-4

050-5488-5139