鎌倉山暮らし

鎌倉山に温泉が

 

ここに引っ越して約30年、鎌倉山について、いろいろ知りたい。この地が気に入っているし、いろいろな思い出もある。

そんなことから、手に入る限りいろいろな資料を収集してきた。それらの中に、昭和初期の開発当時の地図の複製がある。改めて、ルーペに頼りながら眺めてみた

上の図は、その一部分、鎌倉山ロータリー付近を切り取ったものだ。(地図をクリックすると大きな地図が見られます)

バス停には小屋があり「鎌倉山停留所」と記されている。その横には「便所」と書かれている。こんなところに公衆便所があったとは知らなかった。

現在は石碑が立っているロータリーの中心には噴水があったようだ。その左側には、ここ一帯の住宅開発の事務所があり、その後ろには、なんとベビーゴルフ場があったらしい。現在は水道局の資材置き場になっている所だ。ポストは現在とは反対の左側にあったらしい。

噴水の右側、現在は喫茶店がある場所には「日用品購買所」があり、驚いたことに、その隣は「テニスコート」と書いてある。

更に、びっくりするのは、このロータリーからわずか右に移動したあたりに、温泉マークと建物のイラストがある。そこは「鎌倉山温泉 清風園」と書かれている。以前、このあたりに沢山のタイルの破片が落ちているのを見たことがある。それらは温泉の浴槽や壁に使われていたものだろう。

このあたりが、鎌倉山開発事業のシンボル的な場所だったことが伺われる。

昭和初期としては、大事業だったに違いない。

噴水を中心に、テニスコート、ベビーゴルフ、温泉など、今で言うリゾート開発のようなものだったのだろう。

この古い地図を見ていると、当時にタイムスリップしてみたくなる。

長くなるので、今回は、このぐらいにして、他にも、いろいろと興味をそそられることがあるので、それらは改めてご紹介することとする。

都会人が感じる鎌倉

 

1月初旬は体調が悪いこともあり、遅読の私にしてはめずらしく、沢山の本を読んだ。その中の一冊、小川 糸著「今日の空の色」というエッセイ集に鎌倉についてのことが日記風に書いてある。

作者は都内のマンションをリフォームする間、ひと夏を鎌倉で過ごす。都内以外に居を構えるのは初めてだ。

都会人が感じる鎌倉が面白いので、少し長くなるが、以下に紹介する。

 

<新生活 64日>

『ここは、東京の住環境よりも圧倒的に緑が多くて、ものすごーく気持ちがいい。(中略)私が選んだのは、駅から離れた、山の方の家。(もしかしたら鎌倉山周辺かもしれない)

近くに小さな川が流れているので、その川沿いを少し緊張しながら歩いた。すると、ところどころに、人が集まっている。なんだろうと思ったら、ホタルだった。(中略)

ここには、昼と夜の境界線がしっかりあって、夜はきちんと真っ暗になる。そして、朝は方々から鳥の声が響いてきて、賑やかだ』

 

<ご近所さん67日>

『鎌倉に越してきて5日、こちらでの生活にも、だいぶ慣れてきた。東京には東京の時間が流れているように、鎌倉には鎌倉の時間が流れている。(中略)お茶を飲んだら、ゴミを出しに行く。いつでも好きな時に出しに行ける東京のマンション暮らしとは勝手が違う。曜日ごとに決められたゴミを、その日の朝、出しに行くのだ。』

<ただいま 629日>

『ほんの一月前まで東京に暮らしていたなんて、信じられない。東京にいると、勘が鈍るし、失うものもすごく多いと実感した。(中略)

今日の鎌倉は、暑いんだけど、木陰に入ると涼しげな風が吹いて気持ちよかった。』

 

※その後、マンションのリフォームも終了し都内に戻った著者は、鎌倉を懐かしむ。

<鎌倉シック1015日>

『鎌倉の暮らしが懐かしい。もう引っ越したというのに、つい先日も鎌倉に行ってきた。湘南新宿ラインに乗ってしまえば、あっという間。だけど、同じ道を歩いているのに、鎌倉に家がある時と、東京から行った時では、気持ちが全く違うのだ。鎌倉に住んでいた時は、たとえ仮住まいでも、地元住民としての自負があった。でも今は、よそから遊びに来ている観光客にしかなれない。それが少し、淋しかった。』

 

著者は鎌倉に仮住まいのあいだに、座禅の体験、八幡様のぼんぼり祭り、骨董市などいろんな体験をしている。そしてイタリア料理、フランス料理、鰻屋もふくめ精力的に鎌倉を楽しんだようだ。

若者向きのエッセイ集だが、あっという間にスラスラ読めて、それなりに面白かった。

            鎌倉山バス停付近と京急バス
            鎌倉山バス停付近と京急バス

不便の効用

 

「お宅の最寄り駅はどこですか」、と聞かれることがある。いつも一瞬、答えに窮する。「駅」というからには鉄道を思い浮かべる。最も近い駅は湘南モノレールの「湘南深沢」という駅だ。しかし、ここで下車したら、ダラダラと続く坂道を約20分も登らないと我が家には到着できない。下るときは15分ぐらいだが、はたしてこれを「最寄り駅」と言えるのだろうか。なんとなく「最寄り駅」といえばせいぜい徒歩10分前後というイメージが有るのだが。

拙宅に一番近い公共交通機関といえばバスになる。鎌倉山バス停から大船、鎌倉、江ノ島と三方向のバスが利用できる。しかし、最近の人手不足のせいで、運転手が不足しているのだろう。時刻表改定の度に本数が減る。現在、鎌倉駅行、大船駅行とも一時間に2本しかない。江ノ島行の休日運行に至っては一日に6本しかない。しかも始発が1023、終バスは1543だ。

必然的に、住民は自家用車を利用する。そのせいか、家族数にもよるのだろうが、2台の車を所有している家が目立つ。

ところが、私のような酒好きは、外で呑むことが多いので車は利用できない。

都内で昔の仲間と飲んだりすると、いつも帰りのことが気になる。大船から鎌倉山までの最終バスは2250だ。ということは遅くとも夜9時すぎには都内を出ねばならない。ちょうどその頃、「じゃ二軒目に行こうか」、という頃である。仕方がないので、一足先に失礼することになる。これを逃すとモノレールを利用し、20分の坂道を歩いてのぼるか、タクシーの長蛇の列に30分以上並ぶか、どちらかしかない。どちらも、真冬の寒い夜や雨ふる夜にはつらい。

以上、苦言を呈してきたように取られると思うが、この不便さを拭ってもさらに素晴らしい自然と環境が、ここ鎌倉山にはある。以前も書いたが、毎日の散歩もそうだ。四季折々の自然に触れながらの生活は素晴らしい

この年になると、正直ちょっとやせ我慢もあるが、この「不便の効用」に勝るものなし。

今朝も、遠くに真っ白な富士が朝日に輝いている。

(240202)

遅めの初詣

 

毎年、年のはじめには鎌倉山から鵠沼稲荷神社まで歩く。今年は暮れからの体調不良で遅れたが、なんとか今月中に間に合った。

コースは、鎌倉山を下り、西鎌倉、片瀬山、江ノ電鵠沼駅、母校の湘南学園、小田急鵠沼海岸駅を通過し、鵠沼稲荷神社までの約6キロだ。

2010年の正月からこの「歩く初詣」を始めた。途中2回休んでいるので今年は13回目となる。毎年記録を取っているが、歩くコースにより多少の差があるものの、いつも大体1時間半から40分、約1万1千歩前後だ。

途中で色々な思い出の場所を通る。江ノ電鵠沼駅の近くには女房の実家があった。「松が岡」あたりは近代的な住宅に囲まれるように昔の大邸宅もいくつか点在している。その名のとおり、開発で徐々に少なくはなっているものの、お屋敷の中には黒松の大木が目立つ。

母校「湘南学園」の周辺には友達や先生の家もあった。小田急鵠沼海岸駅から海に通じる道は、いまやサーファー天国と化した。このあたりには、その昔、武者小路実篤、与謝野晶子、徳富蘆花、芥川龍之介など多くの文人が逗留したという旅館「東屋(あずまや)」があった。今は史跡の石碑が立つだけだ。そのすぐそばには三千坪はあろうかという国分家別荘があった。今は国分グループ寮となっていたが、当時の懐かしい西洋館は残っていた。そして私が育った家の前を通れば、数分で目的の神社に到着する。

いつもは年初に来ていたので、参拝者も多く、長い列に並んでの参拝だったが、この時期になれば、ほとんど誰もいない。境内には猫が気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。コロナの影響でここ三年ほど外されていた鈴をならす鈴緒も綺麗な新品に変わっていた。

さっそく参拝、例年通り神棚にお祀りする御札を購入。そして、これも毎年のことだがおみくじを引く。今年は「中吉」だった。気になる病気は「回復のきざし」とある。最後に「幸運は以外に近くにある」とのこと。まあまあ、今年もなんとか良い年になりそうだ。

ちょっと疲れた1万歩。このあとのビールが旨いのだ。続きは「湘南を食い尽くす」のページをご覧あれ。

(240128)

 


複雑なゴミ出し

 

他の地域は知らないが、ここ鎌倉市のゴミの分類は、とても複雑だ。

以下、私の住んでいる地域の一週間のゴミ出しの献立を書いてみる。

月曜は4分類

1:紙(再生紙の原料になるので汚い紙は捨てられない)

2:ダンボール、3:布、4:剪定ゴミ

火曜:可燃ごみ(生ゴミも含む)

水曜:ペットボトル(透明なものだけ、ラベルを剥がし、蓋は翌日のプラごみとなる)

木曜は3分類。1:プラごみ、2:缶、3:瓶

金曜:可燃ごみ

この他に第1水曜には、電池、ガス抜きスプレー缶、不燃ごみ、ガラスなどの危険ゴミを分別する。第3水曜にはバケツや玩具などの樹脂製のゴミを出す。

こうしてみると、なんと14種類に分別しなければならないことになる。その上、市の指定する有料ゴミ袋(写真)に入れなければならないものと、普通のゴミ袋で捨てられるものの分類もある。間違えると、黄色の紙に注意書きがあり、その場に置き去りにされる。ご近所には良い恥さらしとなる。分別がわからない場合は市のホームページに、あいうえお順に分類した表をみればわかりやすい。これが実に詳細・緻密な分類になっていて感心するぐらいだ。

このおかげで鎌倉市は全国有数の資源再生率を誇っているという。例えば、月曜日に捨てられた剪定ゴミは、大規模な装置で堆肥となり、市役所で無料でもらうことができる。

私は別に文句を言っているわけではない。反対にこのご時世、そのような地区に生活していることを誇りにも思うぐらいだ。(ちょっと面倒くさいこともあるけれど!)

面白いことに、このシステムが1週間の生活リズムにも影響する。

私の場合、火曜と金曜は生ゴミが出せるので、その前日の月曜と木曜の晩はなるべく魚を食べることにしている。週末は庭の手入れをし、月曜の剪定ゴミにそなえる、という具合だ。

ただ、一人暮らしの老人や障害のある方は大変だろうな、と気になることも事実だ。

環境問題が叫ばれてから何十年。私のような爺も、複雑なごみシステムに協力することで、すこしはお役に立っているようだ。

(240121)

 


             鎌倉山 夫婦池公園
             鎌倉山 夫婦池公園

散歩天国

 

ここ、鎌倉山は散歩天国だ。近くには夫婦池(めおといけ)公園、そして広大な広街(ひろまち)緑地という自然公園もある。

バス通り以外は、交通量も少なく安心して散歩ができる。眺望も素晴らしい。西には富士山から伊豆半島が一望できる。南に目を移せば眼下に江ノ島、水平線には伊豆大島、天気が良ければ利島までは見える。さらに東は三浦半島も一望できる。

早朝の散歩は季節ごとに鳥の鳴き声が途絶えることはない。鶯、雀、ガビチョウ、小綬鶏(こじゅけい)など競い合うように鳴いている。

ただ、難点といえば、場所がら坂や階段が多い。どこにゆくにも一度は上り坂がある。体への負荷も良しと、せっせと歩く。

私は、雨が降らない限り毎朝5時半には家をでて小一時間の散歩をする。季節の移ろいを感じながら、その時の気分で色々なコースを歩く。春は咲き誇る桜並木を見ながら、夏は蝉時雨(せみしぐれ)を耳に、海からの爽やかな涼風が肌に気持ち良い。秋には大銀杏の紅葉が蒼空に染み渡る。そして冬は空に瞬くオリオン座を見ながらの散歩だ。

2020年5月から散歩の記録をとっている。だいたい一月で150キロぐらいを歩いている。昨年(2023)暮れに通算6000キロを超えた。77歳の私としては、なんとか今年中に7700キロを達成したいものだ。

ところが、病気知らずの私としてはめずらしく、昨年末に体調を崩したこともあり、最近は早朝散歩は寒いこともあり怠けている。

毎年始、鵠沼海岸の稲荷神社まで歩いて行った初詣もいまだに行くことができていない。さて、こんな調子ではたして777700キロの目標が叶うのか、多少怪しくなってきたが、暖かくなったら精一杯頑張るしかない、と思う今日このごろである。

(240114)